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事例紹介

産学連携事例


新開発ミキシングノズル

射出成型用ミキシングノズルの能力向上に関する共同研究

  • 有限会社カワダ精工
    (本社 岐阜県揖斐郡大野町瀬古408-2)
    資本金 540万円 従業員 11名
  • 岐阜大学 工学部 機械工学科
    菊地聡 准教授
共同研究に至ったきっかけ

カワダ精工:幣社が中小企業等経営強化に基づく「経営革新計画」を岐阜県に申請し、それをご覧になった岐阜大学の産官学連携推進本部の方が、共同研究テーマ探索のために弊社を訪ねてこられたのが始まりです。カワダ精工は非常に小さな会社であり、大学の先生方やその研究とはまったく無縁だと思っておりましたが、産学連携コーディネータに訪問いただいた際に、幣社がこつこつと開発を行っていたプラスチック射出成形用のミキシングノズルにおいて、これまで苦 労していた色むらの改善などを簡単にご説明したところ、岐阜大学の流体工学の先生の知見を組み合わせればその課題を解決できる可能性があることがわかり、共同研究に至りました。

共同研究の内容・成果

カワダ精工:射出成形とは、加熱溶融させた材料を金型内に射出注入することで、主にプラスチック製品などを製造する方法です。ミキシングノズルは、射出成形機の先端部に取り付けて、材料と着色ペレットなどの複数の材料を混ぜ合わせる部品です(図1)。他社メーカーのミキシングノズルは内部構造が複雑で高価であり、さらに洗浄がやりにくいなどの課題がありました。新開発のミキシングノズルでは、装置内に簡単な隔壁を設けてノズル内の圧力を調整することで、材料樹脂の色むら低減が可能となり、さらに糸引き不良も低減できました。岐阜大学では、樹脂の流れと混合の様子を見える化していただき、隔壁の枚数や形状による混合効果の違いについても実験を行っていただきました(図2)。この新開発ミキシングノズルは構造がシンプルであるために、従来品より安価であり洗浄もやりやすく、自動車部品大手メーカにも採用いただくことができました。

ご担当者様のコメント:有限会社カワダ精工 代表取締役 河田剛様

 今回、共同研究を行ったことにより、これまで経験に頼ってきた開発の効率を上げることができました。私たちのような中小企業にとって大学は敷居の高いところですが、今回のように岐阜大学側から声をかけていただくことで、共同研究に繋げることができたのは幸運でした。弊社以外にも同じような課題を持った中小企業も多くあります。ぜひ、弊社以外にも広くお声をかけていただければ幸いです。

岐阜大学 工学部 機械工学科 菊地聡 准教授

 これまではノズル内でどのように溶けた樹脂が流れ混ざるかが分かっていなかったということで、大学ではノズル内で流れがどのようになっているかを、流れの可視化により調べました。透明なアクリルパイプに隔壁を設置してノズル内を模擬し、流動特性が樹脂に近い高分子水溶液に色素を混ぜて見えるようにした液体を用いて、どのように流れていくかを観察しました。そこから得られた知見が、新製品の設計に役立ったということで、うれしい限りです。

メディア掲載

▽岐阜新聞 2016年10月26日 ▽日刊工業新聞 2016年9月8日 ▽中部経済新聞 2016年8月19日


ひるがの高原ドリンクヨーグルト

飲むヨーグルト(ドリンクヨーグルト)の共同開発

  • 株式会社たかすファーマーズ
    (本社 岐阜県郡上市高鷲町ひるがの4670-233)
    資本金 5,850万円 従業員 20名
  • 岐阜大学 応用生物科学部 応用生命科学課程
    中川智行 教授
共同研究に至ったきっかけ

たかすファーマーズ:弊社は、長良川源流の地 標高900mにある”ひるがの高原”で自然の恵みを存分に活かし、丹誠込めて作る本物の美味しさを追求した牛乳やチーズなどを生産、販売しております。日本初となる低脂肪チーズ(カンコワイヨット)の製造段階で、どうしても雑菌が侵入しカビが繁殖する問題が解決できずに悩んでおりましたところ、岐阜大学の河合先生のお力を借りてその原因を突き止めることができたのが岐阜大学とのお付き合いの始まりでした。その後、あらたにドリンクヨーグルトを開発することになり、やるからには、ひるがの高原で独自に採取された乳酸菌を使おうということになり、乳酸菌のスクリーニング、同定を岐阜大学の中川先生にお願いすることになりました。

共同研究の内容・成果

たかすファーマーズ:新しい乳酸菌を探すにあたりまずこだわったのは、ひるがの高原で採取された乳酸菌を使うこと、ひるがの高原で作られる牛乳と相性が 良いこと、更に美味しくて作りやすいことでした。実際にひるがの高原のさまざまな場所や物から菌の採取を行いました。いちいの木、どぶろく、はちみつ、リンゴ、さらにはたくわんのような漬物などから400もの検体を採取し、まずは弊社で菌を培養することで200検体までの絞り込みを行い、それを岐阜大学の中川先生の研究室に持ち込んで、7属21種58株の新奇乳酸菌のスクリーニングと同定を行っていただきました。更にひるがの高原牛乳に適した風味、発酵状態の良好な5検体の有用菌で試作試飲を重ね、その中で最も優れた乳酸菌を「EC-11ひるがの菌」と名付けて商標登録し、ドリンクヨーグルトに使用することにすることで、濃厚で味わい深いドリンクヨーグルトが開発できました。選定にあたっては、候補の乳酸菌で実際にドリンクヨーグルトを作り、岐阜大学の学生さんにも試飲をしていただき、投票形式で味の選定を行っていただきました。

ご担当者様のコメント:株式会社たかすファーマーズ 石原晴雄様、古橋武様

 ドリンクヨーグルトは平成22年9月に発売が開始され、すぐにたかすファーマーズの主力商品となり現在に至っています。150mlボトル品/750mlボトル品合わせて、年間9万本以上販売されております。おかげさまで、平成26年には岐阜県観光連盟推奨観光土産品と全国推奨観光土産品に認定されました。弊社の主力商品となっている”低脂肪チーズ(カンコワイヨット)”と”ひるがの高原ドリンクヨーグルト”はともに、岐阜大学との共同研究無しでは商品化できなかったものでありとても感謝しています。今後の更なる商品開発に向けて、またあらたに岐阜大学との共同研究ができる事を期待しています。

岐阜大学 応用生物科学部 応用生命科学課程 中川智行 教授

 岐阜大学に赴任した当初から、たかすファーマーズ様にはお声をお掛けいただき、ドリンクヨーグルト開発に向けた新奇な乳酸菌の探索の共同研究をご提案いただきました。実は、このような自然界からの有用乳酸菌株の探索は、私にとって初めての挑戦であったため、最初は手探り状態で研究を始めたのを今でも思い出します。たかすファーマーズ様とスクリーニング方法を試行錯誤した結果、たかすの森から「EC-11ひるがの菌」を獲得でき、実際にドリンクヨーグルトを開発いただいた本共同研究は、現在でも思い出深い研究テーマの一つとなっています。

メディア掲載

▽NHK ▽中日新聞 ▽岐阜新聞


野生動物捕獲罠 遠隔監視用 「オリワナシステム」

LPWA通信システムを用いた捕獲支援システムの開発

  • 株式会社フォレストシー
    (本社 東京都江東区三好3-7-11 清澄白河フォレストビル)
    資本金 200万円 従業員 5名
  • 岐阜大学 応用生物科学部 生産環境科学課程
    森部絢嗣 准教授
共同研究に至ったきっかけ

フォレストシー:当社は、携帯圏外が多い中山間地でも広域に通信が可能な独自の無線規格「LP-WAVE( エルピーウェイブ)」を用いて、鳥獣被害対策の一環である罠捕獲を支援する「オリワナシステム」の開発に着手しました。罠が作動したことを遠距離無線で携帯圏外エリアからでも通知でき、罠の見回りの効率化、迅速な駆けつけ処理による食肉利用の質向上等に貢献します。従来から存在する携帯電話の3G回線を用いた製品と比べ、安価に広域をカバーできる独自の通信技術を用いた本製品を、次世代の捕獲通知システムとして、実験レベルではなく実用レベルの製品にすべく、野生動物の専門的見地から助言を頂くため、森部先生との共同研究に至りました。

共同研究の内容・成果

フォレストシー:当社が独自に開発した親機および中継機、子機を用いて実証 実験を行いました。全ての子機にはGPS・マグネットセンサーが搭載されており、罠が作動すると子機の磁石が外れ、作動通知信号が親機まで送信され、クラウドサーバーを介して子機を登録したタブレット端末などの専用アプリ上に捕獲情報(捕獲通知・位置情報・電波状況・電池残量等)が表示されます。本製品・システムを用いて、岐阜県を中心に通信テストを実施したところ、結果として、岐阜県本巣市大茂山山頂から奈良県大台ケ原の稜線上までの約160kmもの距離で通信の送受信に成功しました。その他、同山頂から愛知県知多郡美浜町冨具崎の8 8 k m 地点や、同山頂から岐阜県恵那市標高6 1 6 m の69.5km地点でも通信を確認しました。いずれも見通しが良好な条件でしたが、見通しが悪いエリアでも電波の回り込みにより広範囲で通信成功し、直接は通信が出来ない不感地帯においても中継機を増設することで解消可能であることが確認されました。本システムによって、携帯圏外が多い遠隔の中山間地域であっても野生動物の捕獲情報の共有が容易になり、見回りの効率化による労力削減や、有害捕獲の報奨金申請の不正防止、獣肉のトレーサビリティシステムへの応用などにも発展が期待できます。

ご担当者様のコメント:株式会社フォレストシー 里山通信事業部 プロジェクトリーダー 藤本晶史様

 森部先生は野生動物の生態に関する知識は勿論のこと、ICT機器に関する深い造詣をお持ちで、ユーザー目線でも非常に参考になるご意見を多数くださり、野生動物管理・鳥獣被害対策という当社にとって未知の分野での取り組みをするに当たって、羅針盤のような心強い存在でした。森部先生のご協力を糧に、今後もより一層、社会的な課題解決に役立つような製品作りに尽力して参る所存です。

岐阜大学 応用生物科学部 生産環境科学課程 森部絢嗣 准教授

 離れた場所から「現場を知る」、これは昔から捕獲者や研究者にとって大きな課題です。様々な商品が開発されている中で、LPWA(Low Power, Wide Area)という通信技術を初めて聞いた時、独自の長距離通信網を個人レベルで構築できる可能性に大変感動したことを覚えています。その後、地域課題を解決したいという共通 の想いから共同研究がスタートしました。開発は常にユーザーの行動や思考に留意して「現場で使える」をコンセプトに取り組みました。現場では机上の理論が通じないことも多く、何度も試行錯誤を繰り返し商品化に至りました。今後も「現場と人がつながる」を目指し、さらなる研究開発を進めていきます。

メディア掲載

▽IotNEWS  ▽ けいたいWatch  ▽ サンスポ  ▽ SankeiBiz  ▽朝日新聞デジタル  ▽ エキサイトニュース  ▽YOMIURI ONLINE


心肺蘇生キット「スクーマン2」

心肺蘇生訓練キットの共同開発

  • アテナ工業株式会社
    (本社 岐阜県関市下有知5601番地1)
    資本金 4億5千万円 従業員 285名
  • 岐阜大学 大学院医学系研究科救急・災害医学分野
    小倉真治 教授/高次救命治療センター長
共同研究に至ったきっかけ

アテナ工業:本社所在地の関市は、平成20年に開始されたある先進的な取組みで全国的に注目されていました。実技を伴う救急救命講習を、中学1年生全員に1人1個の簡易教材を支給して行うというものです。当時の使用教材は海外製の物で、その頃にもっと安価で性能の良い物があれば、この活動がもっと広がると思うとの声があることを知り、未知の分野でしたが弊社で作成にチャレンジする事を決めました。ただ未知ゆえに性能追及の方向性に迷っていた時に、弊社社長宅の向かいに住まわれていた小倉教授に相談をさせて頂いたのが岐阜大学との共同開発のきっかけです。初めての共同開発でしたので、産官学連携推進本部にはとてもお世話になりました。

共同研究の内容・成果

アテナ工業:今回の製品開発で満たす条件は、①正しく胸骨圧迫が学べること、②安価で提供できることでした。①でとりわけ重視した事は、胸骨を押した感触を出来るだけ再現する事です。既存製品には感触はリアルですが、部品点数が多く高額なもの、安価ですが感触が遠い物などがありました。その為弊社では全く別の方式でのリアルな感触の再現を模索しました。教授から有効な胸骨圧迫の圧力データ資料を頂き、肋骨の形状を参考にアーチ形状の樹脂製模擬胸骨を用意しました。教授や研究室の先生に実際に試して頂き、感想を伺いました。部品をモデリングデータ解析し、圧迫時にアーチ形状にどの様に負荷が掛かるかを検討しました。②の安価で提供する為には、当社の得意分野であるシート成形品で胸部や心臓の位置などを表現し、正しく圧迫する位置を示しました。また、正しい深さまで圧迫出来ていると音が出る工夫や、製品の箱の内側面を利用し、色分けによって目でも深さが確認できるようにしました。共同研究開始後に、実は関市の取組みは小倉教授が提案された事と知りました。不思議なご縁を感じつつ岐阜大学および小倉教授のご協力で全くの専門分野外でありながら、今では日本循環器学会の市民講座でも使用される製品を生み出せた事に感謝をしています。

ご担当者様のコメント:アテナ工業株式会社 開発センター 宮嶋 謙二様

 最初は、分野違いのプロジェクトに大きな不安がありました。しかし、小倉教授から救急救命における心肺蘇生の大切さ、またそれを大勢の人々が学ぶことの大切さを伺い、製品を造る意義を改めて感じ取組みました。試作の改善ポイントを何度も分かり易くアドバイスして頂きました。製品の模擬胸骨部分の感触を確認して頂き、ついに【合格です。】と仰って頂いた時は、感動と感謝の気持ちが溢れてきました。

岐阜大学大学院医学系研究科救急・災害医学分野 小倉真治 教授/高次救命治療センター長

 今回の共同開発の主なポイントは、我々実際に使う立場からの要求を、どこまでコストを削りながら具現化できるかというところにありました。よくある言葉で言えば、シーズドリブンではなくニーズドリブンであるということです。 我々の要求は明確でした。実際に心臓マッサージ(胸骨圧迫)を数多くやってきた私の手の感触をどこまで製品に反映させることが出来るかというところです。コストとの戦いもあり、担当技術者には苦労をしてもらいましたが、社を上げての支援もあり、最終的に他では類を見ない製品が出来ました。その瞬間の喜びは言葉には表せません。いい仕事を出来ました。

メディア掲載

▽NHK総合 「ほっとイブニングぎふ」 2012年9月28日 ▽東海ラジオ 「ニュースファイル」 2012年12月22日  ▽中部経済新聞 2014年5月22日 ▽岐阜新聞 2015年6月23日  ▽その他新聞掲載多数


滑り止め床用コーティング剤

滑り止め床用コーティング剤の共同開発

  • 株式会社リンレイ
    (本社:東京都中央区銀座4-10-13)
    資本金:1億円、従業員:500名(連結)
  • 岐阜大学 応用生物科学部
    神志那弘明 准教授
共同研究にいたったきっかけ

株式会社リンレイ(山田様): 元々弊社では、本連携の端緒となった「滑り止め床用コーティング剤」の開発を進めており、ここに臨床獣医学的な評価を得られれば、さらなる商品価値向上が期待でき、最終的には当商品の命題でもある『人と愛犬のより良い共生環境創造』に寄与できるのではないか、といった議論を並行して行っておりました。私は岐阜大学の卒業生で、友人から常々岐阜大学の獣医学科の優秀さは説かれていましたので、担当を志願し、産官学連携推進本部を通じて、昨年度より神志那先生との共同研究に至りました。その過程では同学部の鬼頭先生にも大変お世話になりました。(「産学連携経験者インタビュー」より転用)

共同研究の内容・成果

株式会社リンレイ(山田様): 近年、犬の室内飼育と比例して「フローリングでの滑り」に起因する骨折や脱臼、ねん挫等の関節疾患が増加しています。そうした状況に対してフローリングを滑りにくくすることで予防するというのが当商品のコンセプトで、実際に床での滑りが犬の心身にどのような影響を及ぼすか、国内初となる臨床獣医学的なアプローチでの研究をしています。具体的には歩様解析試験やストレステスト、飼い主アンケート等、多角的な視点で進めています。 歩様解析試験において、関節または神経の疾患を持つ犬(10頭)の歩様を比較解析した結果、塗布したフローリングでは滑らないか、もしくは滑る回数が減少することが明らかになりました。このことから同商品が疾患犬のフローリングにおける滑りを防ぎ、歩様改善に寄与することが分かりました。 足・腰の関節疾患や神経の疾患は高齢になるにつれて発症しやすくなることから、高齢犬の疾患対策になることが期待できます。(「産学連携経験者インタビュー」より転用)

ご担当者のコメント:株式会社リンレイ 総合企画開発部 山田貴之様

 本連携は弊社にとってワックスやコーティング剤の新たな価値提案の第一歩となる極めて重要な取組みで、それと同じ熱量で取り組んで頂いている神志那先生はじめ岐阜大学に深く感謝すると同時に、僭越ながら卒業生冥利に尽きる思いで一杯です。今年度はより一層の成果創出を期し、更なる取組み強化を図って参る所存です。

岐阜大学 応用生物科学部 神志那弘明 准教授

 最近は犬や猫は伴侶動物と呼ばれ、家族の一員という位置づけになりました。ほとんどの場合、生活環境は人と同じように家の中です。最近では床材としてフローリングが使われているお宅が多いですが、はたしてフローリングは動物にとって過ごしやすい材質なのか?と考えると、きっと快適なはずはない!と考えたわけです。そういう意味で、「滑り止め床用コーティング剤」を開発するという今回の共同研究は、ずっと前からあってもおかしくはない研究テーマだったのですが、それが現実にはなかったのです。今回の共同研究における岐阜大学の役割は、「滑る」という行動が動物の身体と心に与える影響を科学的に明らかにすることです。そして動物にも優しい生活環境を作るために、今までになかった床用コーティング材を開発することを目指しています。

メディア掲載

▽新聞掲載:科学工業日報 2017年4月13日号


人工筋肉膝サポーター

人工筋肉膝サポーターの研究開発

  • 株式会社タナック
    (本社:岐阜市元町4丁目24番地 )
    資本金:3,000万円 、従業員:38名
  • 岐阜大学 工学部
    松下光次郎 助教
共同研究にいたったきっかけ

株式会社タナック: 元々岐阜大学とは、医療関係製品でのつながりがありました。新たにサポーターの企画をスタート、サンプルができた段階でサポーターの評価・効果の数値化をしたかったのですが、誰に相談すればよいのかわからず、路頭に迷っていました。そこで産学連携コーディネーターに相談したところ、適任の先生がお見えになるとのことで松下先生をご紹介頂きました。(「産学連携経験者インタビュー」より転用)

共同研究の内容・成果

株式会社タナック: 弊社のオリジナル素材「タフシロン」(シリコーン)を筋肉に沿って配置加工したサポーター「人工筋肉膝サポーター」の評価を行いました。性能評価の結果、タナックの2種類の製品はいずれも特徴的な弾力性能が確認されました。 以下、定量的評価に基づく歩行時の効果の推測です。①.他のサポーターと比較し膝曲げが少ない部分からのサポート力が大きい、具体的には「直立姿勢で膝伸展を保持しやすい」、「歩行の際、着地前の膝伸展をサポートするので、足運びにおいて膝を伸ばした状態のスムーズな着地をうながしやすい」。 ②.膝の屈曲角度90度付近でサポート力の強さが一定になる、具体的には「膝を大きく曲げた状態のとき比例的な大きな回転負荷力がかからないため座りやすい」。

ご担当者のコメント:株式会社タナック 営業開発部 杉山順司様

 松下先生は、医学部での所属経歴をお持ちで、身体のことにも理解があり、かつ専門の測定に関しても深い知見をお持ちで大いに助けて頂きました。とても柔軟なご発想で先手先手のご対応を頂き、測定冶具も3Dプリンターで自ら作成と大変お世話になりました。引き続き、弊社の新商品の評価もお願いできれば幸いと思っております。

岐阜大学 工学部 松下光次郎 助教

 私は、タナック社オリジナルヘルスケア商品「膝サポータ」の評価に関する共同研究を行っています。膝サポータは健康衣料に分類されますが、これまで健康衣料はアンケートによる使用者の感覚的な評価が主流であり、定量的に示す評価法がほぼ存在しない状態でした。そこで先行研究で培った歩行計測・解析技術と歩行ロボット開発技術を組合せ、ヒト身体を模倣したモデルに基づく膝サポータ評価装置を開発,タナック社製膝サポータの特徴を定量的に明らかにすることに成功しました。このような健康衣料の定量的評価法は、今後の繊維・アパレル産業にとって重要技術となり得ますので、引き続き様々な健康衣料評価に挑戦し、岐阜繊維・アパレル産業の活性化に貢献したいと考えております。

メディア掲載

▽新聞掲載:朝日新聞 岐阜版 2017年5月31日 / 日本経済新聞 キャンパス発この一品 2017年4月26日 / 日経MJ 新製品紹介 2017年4月3日 / 岐阜新聞 岐阜経済 2017年2月15日 / 日本経済新聞 web 2017年2月11日


ふとんクリーナー『ひなた』

アレルギー対策クリーナーの研究開発

  • 株式会社コーワ
    (本社:愛知県 あま市)
    資本金5000万円 従業員204名
  • 岐阜大学 応用生物科学部
    川窪伸光教授
共同研究にいたったきっかけ

株式会社コーワ ひなた事業部: 各家電メーカーの電気掃除機製造に携わり、様々な家電製品のクリーン技術の開発・製造に取り組む中、現代人がもっとも悩んでいる健康問題のひとつ「アレルギー」対策の必要性を感じました。効果的なアレルギー対策は布団のアレルギー物質を除去することであるとわかり、「ふとん専用クリーナー」の開発をスタートさせました。開発を推進する中で、花粉などアレルギー物質に関する知識を吸収したいと思い、岐阜大学に相談、川窪伸光教授との共同研究が始まりました。

共同研究の内容・成果

株式会社コーワ ひなた事業部: アレルギー対策家電製品の開発に先立ち、ダニや花粉の状態を観察する必要があり、生物顕微鏡の導入を提言され導入しました。透過光型顕微鏡でダニ・花粉等の観察をし、ダニを撃退する様々な実験を実施しました。紫外線攻め、乾燥攻め等ではダニを完全に死滅させるには至りませんでした。そこで、ダニの熱死に関する生物学的知見を得て、60℃の熱であればダニを一瞬で死滅させることができることがわかり、「熱風循環」機能を搭載したふとんクリーナーを開発、商品化に至りました。 ※2017年 6月 掲載

岐阜大学 応用生物科学部 川窪伸光教授

 私は、産業界から最も遠いと考えられる研究テーマである生物進化を専門としているので、コーワ様から技術相談があったときは正直驚きました。実際、企業の皆様と共同研究を進める中で、そのものづくりに対する真摯な姿勢、自発的に開発を進める姿勢に感心しました。また、私の知識や考え方を講義室とは異なった観点から伝えることにより、お役に立てていただく過程で、私自身の視野拡大にもつながりました。私の研究活動が、具体的に企業の商品化の役に立ち、驚くと同時に、大変嬉しく思います。

メディア掲載

▽新聞掲載:中日新聞 2016年4月21日、読売新聞 2016年5月24日、朝日新聞 2016年6月29日、毎日新聞 2016年11月28日、電波新聞 2016年12月16日、中日新聞 2016年12月19日


冷凍こんにゃく

地域農産物『下呂産こんにゃく芋』を活用した冷凍用こんにゃくの開発

  • 株式会社マンナン工房ひだ
    (本社:岐阜県 下呂市)
    資本金5000万円
  • 岐阜大学 応用生物科学部
    西津貴久教授
共同研究にいたったきっかけ

岐阜大学 西津教授: これまで小麦麺、パン、食用エマルションの冷凍による劣化機構の解明に関する研究を行ってきました。冷凍によりこんにゃくゲルの食感が著しく劣化することはよく知られているものの、その劣化機構はよくわかっていません。そのため(有)下呂特産加工からお申し入れのあった冷凍用こんにゃくのテーマは、研究対象として大変魅力的であり、その研究成果は依頼者の商品開発につながるものと思い、共同研究を開始することになりました。

共同研究の内容

岐阜大学 西津教授: 研究開始早々に、こんにゃく製造工程の把握と研究用試料の作製方法を検討するため、こんにゃく生産量日本一の群馬県にある食品メーカーを訪問しました。ここで現地メーカーの方から冷凍食品にこんにゃくが使えるようになると商品開発の幅も広がる上、販路も大きく拡大するだろうとの見通しを語られ、この研究に対する期待をひしひしと感じました。共同研究における私の役割は、冷凍による品質劣化機構、特にテクスチャーの特性が劣化する機構を解明すること、および冷凍耐性を付与する手段を見出すことでした。冷凍耐性を付与するために様々な取組が行われてきておりますが、いずれも決定的な解決方法には至っていないのが現状です。冷凍によるゲルのテクスチャー変化や光沢の変化は氷結晶生成によるゲル構造破壊に起因するとの考えから、従来から行われてきた配合や方法で作製したこんにゃくの微細構造の違いを検討することから研究を開始しました。

成果

岐阜大学 西津教授: 上記研究の過程で、いくつかのアイデアをもとに作製した試作品のひとつが、冷凍耐性の点で、ある程度有効であることがわかり、今回の製品化につながりました。 ※2017年 6月 掲載

株式会社マンナン工房ひだ 北野勝広 代表取締役

 平成25年度 岐阜県農商工連携ファンド事業を活用させて頂き、岐阜大学と冷凍耐性に拘ったこんにゃく(冷凍解凍しても味・食感が損なわれない)の共同研究をスタートしました。冷凍食品業界ではこんにゃくの需要用途は多様に渡りますが解凍後の品質等に課題が残り需要が伸び悩んでいる現状がありました。今回の西津教授との共同研究により我々では解明できないこんにゃくの特性や問題点を、色々な面から専門的な分析を大学で進めていただいた結果、常温の既存商品と遜色のない味・食感の冷凍耐性の商品化に成功しました。また、使用する原料も地元産こんにゃく芋を使用することによって地域資源を活用することで地域の活性化にも繋げていけると思います。今後、冷凍こんにゃくを弊社の重要主力商品として取り組んでいきたいと思います。

メディア掲載

▽テレビ放映:TBSがっちりマンデー「大学と会社がコラボ!儲かる!共同研究」2016年12月11日  ▽新聞掲載:日本経済新聞「マンナン工房ひだ、冷凍こんにゃくの販路拡大」2016年8月17日


ペットボトル飲料『やさ茶』

ペットボトル飲料『お茶』の開発

  • 株式会社 白川園本舗
    (本社:岐阜県 加茂郡 白川町)
    資本金5400万円
  • 岐阜大学
    「やさ茶」学生プロジェクトグループ、工学部 神谷教授
共同研究の内容・成果

 「広報・PR論入門」の授業から生まれた学生有志グループが主体となって、ペットボトル飲料のお茶『やさ茶』を企画しました。東濃信用金庫の協力を受け、茶葉の生産を担う株式会社 白川園本舗と共同開発を開始しました。 岐阜大学の地下110mからくみ上げた硬度14mg/Lの軟水と、茶の名産地・岐阜県の白川町で育まれた三番茶を用いて、低カフェインで優しい甘さのお茶に仕上げました。平成28年3月から岐阜大学の生協店舗、白川園本舗、岐阜県内の道の駅などで販売しております。(岐阜大学 広報誌「岐大のいぶき」No.32 2016-2017 Autumn-Winter P.20より引用)

「やさ茶」学生プロジェクトグループ 副リーダー 森 明日香さん(応用生物科学部 4年)

 工学部の神谷教授と学生の希望者で白川町の茶園を見学に行き、茶畑の美しさと急須で淹れるお茶のおいしさに、私も含めて全員が感動しました。学生の大半がお茶といえばペットボトルという印象で、お茶を淹れるのも初めて。茶農家の後継者不足の悩みも知り、まずは若い世代にこのお茶のおいしさを知ってほしいという思いが募りました。そこで、「広報・PR論入門」の授業から生まれた学生有志グループが企画したのが、ペットボトル飲料の『やさ茶』です。 学生らしい柔軟な発想を商品に反映させていく中、お茶を身近に、との想いを込め味や包装などにこだわりました。包装や商品名のほか、特にこだわったのが茶葉の選定と茶の風味です。カフェインや渋みが少ないことから選んだ白川町の三番茶は、硬度が低い大学の地下水と相性がいいことが分かりました。お茶を身近に感じてほしいという私たちの想いを込め、子どもも飲みやすい、甘みのある優しい味に仕上げました。プロジェクトでは今後、販路拡大と茶畑ツアーの実現を目指します。多くの人に愛されるお茶になってほしいです。(岐阜大学 広報誌「岐大のいぶき」No.32 2016-2017 Autumn-Winter P.21より改変して引用)

メディア掲載

▽日本経済新聞「キャンパス発この一品:ペットボトル入り番茶 学内の地下水で甘味引き出す」2016年4月20日  ▽朝日新聞「岐大の地下水、番茶に ペットボトル入り試験販売」2016年3月31日  ▽読売新聞「学生連携「やさ茶」誕生 大学の地下水飲みやすく 岐阜大グループ」2016年3月16日  ▽中日新聞「岐大の地下水でペットボトル茶 学生が白川園本舗と商品化」2016年3月16日  ▽岐阜新聞「大学の井戸水で「番茶」 岐阜大生らが企業と連携,開発 道の駅などで試験販売」2016年3月16日  ▽旺文社「蛍雪時代」 2016年6月号 [北陸・東海]キャンパスNewsの中で,国公立大:岐阜大学『大学の地下水を使用したお茶「やさ茶」の販売をスタート』として紹介


減震装置「ゆめまる君」

人と住まいを守る減震装置の研究開発

  • 有限会社夢家族 エネルギー研究所
    (本社:岐阜県 羽島市)
  • 岐阜大学 情報連携総括本部
    村上茂之教授
共同研究にいたったきっかけ

 阪神淡路大震災をきっかけに、かつて建築業を営んでいた経験から、建築の知識を地震対策に生かそうと、既存住宅に容易、安価に施工することができる減震装置の開発に着手。地震エネルギーを軽減させる装置を発案し、地元の大学の力を是非借りたいと岐阜大学へ相談、村上茂之准教授との共同研究が始まった。

共同研究の内容

 開発した装置は細長い弓形のアンカーボルトで、建物の基礎と土台の外側に取り付けるもの。 弓形にたわんだ部分が可動域となり、地震の際、基礎と土台が振動に合わせて前後左右に動き、家屋に伝わる揺れを和らげるという仕組み。 この弓形の器具の静的載荷試験を岐阜大学との共同研究で行い、愛知工業大学耐震実験センターの上下水平動加振振動台において、阪神淡路大震災の地震波による振動実験を経て、改良を重ねた結果、耐震・免震両面の効果を発揮する減震装置の開発に至った。

成果

 減震装置及びその設置方法で特許を取得し、「ゆめまる君」として商品化。主に一般住宅向けに、引っ越し不要で工期が短く、安価な費用を設定したことから、岐阜県内の幼稚園での施工をはじめ、14件の施工実績を有する。

有限会社夢家族 エネルギー研究所 高木所長

 我々のような無名の小さな会社にとって、地元の大学との共同研究で得られた試験や評価というものが開発商品の信頼性の向上に非常に役立ったのではないかと思います。また、村上茂之准教授のネットワークから他大学の協力も得られ、コーディネータには高専や他機関の研究者も紹介いただき、様々な角度から開発製品に関する指導・助言をいただくことができました。


ロイヤルコンフォートスーツ

感覚・計測に基づく快適スーツの開発

  • 株式会社AOKI
    (本社:神奈川県 横浜市)
  • 岐阜大学 工学部
    岡村政明名誉教授
共同研究にいたったきっかけ

(株)AOKIは独自の商品開発のために、商品開発室を設置し、お客様のニーズに応えるべく、信頼性のある商品作り、満足いただける商品作りに取り組んできた。こうした取組の中で、大学との連携を考え、糸開発のために岐阜大学工学部の岡村教授(当時)に依頼することとなった。最初の活動は、学生のインターンシップを活用して、スーツの機能性、素材の特性、着用快適性のアンケート調査を実施し、この調査結果を踏まえて、快適衣生活商品作りを目指して、岐阜大学との産学共同研究を開始。

共同研究の内容

 着用快適性の高いスーツの開発を研究テーマに5年間(研究費1,000万円)に亘り、紡績機械の改良、ニュージーランドメリノウール原料使用によるウール100%ストレッチ糸の開発と同時に、肩周りの圧迫、窮屈感をなくすスーツの型紙の開発に取り組んだ。また、衣服圧測定、筋電図による筋活動量測定及び官能検査による性能評価を行った。

成果

 開発された糸、型紙により着用時の圧迫感、窮屈感、つっぱり感を軽減し、着用時の動作拘束感が軽減され、着用快適性に優れた『ロイヤルコンフォートスーツ』を商品化し、2007年9月より発売した。このスーツは従来にない画期的な着用性を持っており、2009年度日本繊維機械学会賞技術賞を受賞した。

株式会社AOKI 柴田室長

 従来に無いストレッチ性を有するウール糸の開発を行った為、開発したストレッチウール糸を使用して試作しました。毛織物の仕上工程を実用化するために試行錯誤し、実験と評価の連続であり、さらに、被験者がスーツを着用し際の着心地を客観的に評価するための生理学的機能量(静的衣服圧、筋電図)の計測・評価法の確立に2年間の時間を要しました。


マイクロナノバブル発生装置

ナノ多孔質クレージングフィルムの量産化マイクロナノバブル発生装置の開発

  • 株式会社ナック
    (本社:岐阜県 関市)
  • 岐阜大学 工学部
    武野明義教授
共同研究にいたったきっかけ

 岐阜県の特許流通アドバイザーから岐阜大学の技術シーズである「クレージングフィルム」を紹介され、工学部・武野准教授との共同研究がスタート。

共同研究の内容

 クレージングフィルムの量産化に向けて武野准教授のアドバイスを基に、量産加工機を製作した。また、このフィルムを使ったマイクロナノバブル発生装置の開発を行い、マイクロナノバブルの特性、性状等についての研究を実施。

成果

 開発したクレージングフィルムは商品名「モノトランフィルム」として浄水器用エアー抜きフィルターとして販売。また、マイクロナノバブル発生装置は商品名「フォーメスト」として各種産業用途に幅広く販売しており、最近では、オゾンマイクロナノバブル発生装置が注目されるなど、幅広い展開へと至っている。

株式会社ナック 篠田部長

 岐阜大学との共同研究により、マイクロナノバブル発生装置を、実験用途から各種産業用途向けのカスタマイズ製品まで幅広く展開することができました。


腹筋チェア「ぷるる」

健康座椅子の開発

  • 明光ホームテック株式会社
    (本社:岐阜県 各務原市)
  • 岐阜大学 教育学部
    春日晃章教授
共同研究にいたったきっかけ

 明光ホームテック(株)より、岐阜大学の産官学連携窓口に電話相談があり、コーディネーターの仲介のもと、教育学部・春日准教授を紹介。両者のマッチング、打合せの結果、共同研究を進めることとなった。

共同研究の内容

 健康椅子使用時の運動量測定を研究テーマに約6か月間(研究費22万円)共同研究を行った。共同研究結果として、健康座椅子を使用した時の運動量を測定し、座るだけで腹筋トレーニングができること、更には2分間座っているだけで、運動量は腹筋約20回分に相当する効果があることがわかった。

成果

 ダイエット用の健康座椅子として、大手スポーツ量販店への販路を開拓し、販売に至っている。

明光ホームテック株式会社 白木係長

 座ったときに実際にかかる運動量を測定することができ、それを顧客へのアピールポイントとして販促につなげることができました。その結果、今までに販路のなかったスポーツ店等への販路拡大にもつながり、大変有意義な研究開発になりました。

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